Yasuyuki KAWANISHI + ICHIBANSEN / nextstations
​川西 康之 + 株式会社イチバンセン 一級建築士事務所 / ネクストステーションズ

アルベルゴ・ディフーゾは、イタリアで生まれた、まち全体をひとつの宿と見立てる分散型宿泊スタイルです。客室や食事処、フロントなどがまちなかに点在し、宿泊者は観光客としてではなく、その土地に暮らすように滞在します。空き家や歴史的建造物を活用することで、地域の風景や文化を守りながら、新たなにぎわいを生み出すことができます。このたび、長崎県平戸市で「アルベルゴ・ディフーゾ」の仕組みを導入します。

 

外観は旧城下町の景観を損なわないように外観は屋根、外壁の意匠を継承しつつ、内装は町屋の構造体をより見せた意匠としています。
アルベルゴ・ディフーゾの目的であるにぎわいとして、道路に対して外構部分がほとんどない既存建物に一部半屋外としました。間口が狭く店内のにがわいが通りから視認しにくい課題に対して、外部から引き込む半屋外のエントランスを経て、店内の賑わいを外部と繋ぐ空間構成としています。

1階はお店の人とふれあいながら食を楽しむ対面式のカウンターが内部から半屋外部分まで伸びる意匠としています。2階は天井を既存の登り梁に合わせて天井をあげて、町屋の空間のなかでより開放感をつくっています。また、2階の木製窓などの既存の趣を残せる箇所は残し、新たな部分は色調や素材はそろえてつつも既存を引き立たせる配色としました。​